この教訓は生かされず
逸見さんは港区元赤坂の前田外科病院（現：赤坂見附前田病院）ですね。
これはそもそも、胃ガンを発見したのが前田病院での定期検診の際だったことがきっかけです。「初期のガンで完治できる」と説明したらしいのですが実はそうではなく、術後に再発した際にもそのことを説明せず、再手術するも既に手の打ちようがなく、以降は逃げ回って再々手術にも中々応じなかったそうなのです。逸見さんはこの医者を妄信しセカンドオピニオンを求めようとしませんでした
それで、まず奥さんが不信感を抱き、ご本人に土下座してまで東京女子医大病院での再検査を受けさせた結果、ガンの再発とその極めて深刻な状況（すでに末期で、手術しても効果はゼロともいわれていた）を知らされ、女子医大で再々手術を受けることになった、というわけです。
このことが、当時世間に大きな衝撃を与えた、あのガン告白会見の伏線になっています。
この逸見さんの件が明るみになってから、日本の医療界でもインフォームド・コンセントとかセカンド・オピニオンといった、医師と患者の双方向での治療概念に、より一層目が向けられるようになりましたね。
