高校野球などで活躍する県野球連盟の審判が人員不足に陥っている。この10年間で人数は2割減り、平均年齢も60歳を超える。関係者は「1日2〜3試合を担当することもある。人数減は頭が痛い」と話している。

 県野球連盟の審判はボランティアで、高校野球、学童野球、社会人野球など、アマチュア野球で広く活動している。同連盟審判部によると、2007年には登録された審判は623人だったが、今年1月には8割弱の486人まで減った。平均年齢は61・1歳、最高齢は87歳と高齢化も進む。

 同連盟審判部の飯塚実副部長(63)=館林市=は「野球離れ」を理由の一つにあげる。「今の若い人たちは野球以外のスポーツを楽しむ機会が多く、野球人口が減っている」

 審判歴が30年を超す飯塚副部長は消防士として働いてきた。呼び出しもある仕事で、職場の仲間や家族に支えられてきた。15年ほど前には、息子が高校球児として夏の群馬大会に出場した。「開会式で、審判として息子と同じ舞台に立てた感動は忘れられない」

 夏の群馬大会は平日に試合が連続し、夏以外の季節も毎週末試合がある。還暦野球のチームが増え、試合数は減っていない。飯塚副部長は「職場や家族の理解がないと厳しいけれど、野球にずっと関われる活動です。ぜひ参加して欲しい」と呼びかけている。

■夏の大会へ講習

 1日には、8日に開幕する第99回全国高校野球選手権群馬大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)に向けた審判講習会が高崎城南球場で開かれ、約70人が参加した。高崎商の選手が協力し、ストライクゾーンや挟殺プレーを見極め、「ストライク」「アウト」などと大きな声で宣言し、本番に備えた。

 今年審判になった会社員の山口昭人さん(55)=渋川市=は「かつては私も球児でした。仕事をうまく休んで参加します」と話した。(山崎輝史)

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