6/28(水) 7:00配信

Jリーグ幹部“ナンバー3”セクハラ辞任…DAZN契約で中心的役割

セクハラ、パワハラで退任した中西常務理事。Jリーグきっての“改革派”だった

 J幹部がセクハラ辞任−。Jリーグは27日、同日付で中西大介常務理事(51)が退任したと発表した。女性職員に対してパワハラ、セクハラにあたる不適切な言動があったとして、本人から同日の理事会に辞任の申し出があり、受理。英パフォーム社が運営するDAZN(ダ・ゾーン)との10年、2100億円にのぼる放映権契約の締結で中心的役割担った“ナンバー3”の失脚に、組織管理の資質が問われそうだ。

 右腕ともいえる側近が起こした、よもやの不祥事。この日、東京都内で行われたJリーグ理事会後に村井満チェアマン(57)が、苦渋の表情を浮かべた。

 「Jクラブに模範を示すべきJリーグ(事務局)で、指導的な立場にいる人間が、大変申し訳ない行為を行ってしまった。みなさまにおわびしたいと思います」

 組織のナンバー3に位置する中西常務理事が、2015〜16年に女性職員に対して執拗(しつよう)に食事や映画、コンサートに誘い、電話やメールで繰り返し好意を示すなどしたという。被害を受けた職員が2週間前に相談窓口に訴え、弁護士が調査したところ、当該の職員を含む複数の女性から被害が確認された。

 女性が被害届を出すかどうかは不明だが、弁護士の見解では刑事罰や解雇に相当するレベルには及んでおらず、理事会も辞表提出が妥当な処分と判断。中西氏は、Jリーグ関連会社の役員及び委員会役員を全て退任する。

 中西氏は1997年に一般企業からJリーグに入り、事業統括本部長などを歴任。マーケティングや実務を担当し、14年に常務理事に就任した。15年には約10億円の収入増とメディア露出増を狙い、「2ステージ制&チャンピオンシップ」の導入を主導。さらに今年から、英パフォーム社が運営するDAZN(ダ・ゾーン)との10年間で2100億円にのぼる放映権契約の締結を結ぶなど、財政基盤強化策の中心的役割を担った。

 「DAZN元年」ともいえる今年。ビジネスの成功とは裏腹に、組織管理の資質を疑われかねない。積極的な組織改革を進めてきた村井チェアマンは「おごりを捨て、Jリーグの組織風土を改革したい」と再発防止に取り組む決意を示し、「ファン・サポーター、クラブの方々に不快な思いをさせて申し訳ない」と謝罪。自らも3カ月、10%の減給を表明した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000034-sanspo-socc