2017年6月28日6時0分 スポーツ報知

 女子で五輪史上初の4連覇を達成したレスリングの伊調馨(33)=ALSOK=が27日、都内で行われたギネス世界記録の認定証授与式に出席した。2003年から16年1月までの13年間で不戦敗をのぞいた189連勝を記録。将棋で公式戦29連勝の新記録を打ち立てた藤井聡太四段(14)に「挑戦」こそ連勝の極意だとエールを送った。

 勝負の世界に生きてきた者として、藤井四段の偉業を見届けた。「豚キムチうどんを食べながら頑張っていた。すごい」とうなった。「気負うものがないのかなと。挑戦の気持ちで突っ走っている。挑戦をやめると連勝も止まってしまう。挑戦を続けるからこその結果。14歳でその域に行けていることがすごい」。さらなる連勝記録の更新を期待した。

 伊調自身もそうだった。守りに入らず、常に己のレスリングを極めることを最大目標としてきた求道者。「ただ純粋にレスリングが好きで追求し、続けてきた」。その姿は藤井四段と重なる。目の前の「好き」を追い求めた結果が連勝記録を生み、その後の五輪4連覇につながった。

 女子五輪種目で五輪史上初の4連覇と、レスリング女子の最多金メダルがギネスの対象になった。「ギネスは小さい頃から知っているが、すごい人が取るものと思っていた。それを自分がいただいたのは不思議な気持ち」と控えめに喜びを口にした。現役続行か、引退か―。気持ちは日替わりだという。「選手としてかコーチとしてかわからないけど、しっかり答えを出して東京五輪を迎えたい」。自分の気持ちが動くのを待つ。(高木 恵)

 ◆カナダで「コーチング講習」

 伊調は今月上旬にカナダで1週間のコーチング講習を受けたことを明かした。日本スポーツ振興センター(JSC)による女性アスリートの戦略的強化・支援プログラムの女性エリートコーチ育成プログラムの一環で、国際的なコーチングスクールで学んだ。「これまでは技術を後輩に伝えたいと思っていたが、技術以上に人間を育てる意味のコーチングが大きかった。もっと勉強しなければ」と収穫を語った。

http://www.hochi.co.jp/sports/etc/20170628-OHT1T50010.html