Jリーグにかつてない激震が走った。村井満チェアマン、原博実副理事長に次ぐナンバー3の中西大介常務理事(51)が、複数の女性職員に対してパワーハラスメント及びセクシャルハラスメントを繰り返していたとして、27日付けで辞任したことが電撃的に発表された。

 前日26日の段階で本人から提出された辞任届が、27日午後に東京・文京区のJFAハウス内で開催された月例理事会で受理された。理事会後の定例会見後にあらためて記者会見を開いた村井チェアマンは、幹部による不適切な行為を「あってはならないこと」と重く受け止め、深々と頭を下げた。

「Jクラブに対して模範を示すべきJリーグで、社内マネジメントにおいて経営の指導に当たるべき人間が大変申し訳ない行為を行ってしまったことで、ファン、サポーター、クラブ関係者の皆様に不快な思いをさせてしまったことを、心よりお詫びしたいと思っています」

 問題が表面化したのは約2週間前。Jリーグ内に設置されているハラスメントに関するホットラインに、被害にあった女性職員が通報。村井チェアマンの依頼を受けた弁護士2人が通報した女性を含めた複数の職員、そして中西前常理事にヒアリングを行い、複数人に対するハラスメントが確認された。

 臨時会見の席上では、Jリーグは常にオープンであるべきという観点から、村井チェアマンは調査で明らかになった中西前常務理事の不適切な行為の詳細を説明している。

「2016年にJリーグの女性職員に対して、業務時間内に高頻度で業務に関係のない電話をかけ、あるいは当該職員に好意を抱いていることをうかがえるようなメールを送信して映画、美術館、コンサート、食事などへの誘いを行い、多数回実現させました。

 また、2016年に執務時間中の職場内において、2015年ごろから2016年にかけては執務時間外に職場外において、一般的な女性感情の基準において不快感をもたれるような行為があったと報告を受けました。私の直属の役員であり、私の管理責任が問われる事案だと認識しています」

 自身の幹部としての立場を利用して女性職員を映画などに誘った行為がパワーハラスメントに、女性に不快感をもたれる行為がセクシャルハラスメントと確認された。中西前常務理事はこれらの事実を認めたうえで深く反省し、村井チェアマンも3ヶ月間の報酬10%返納を理事会に申し出て受理された。

 Jリーグは以前から、管理職に対してハラスメント研修を課している。そうしたなかでの不祥事発覚と、被害にあった女性職員の通報が今年6月にまでずれ込んだ点に、村井チェアマンも責任を痛感している。

「こういうことが言い出しにくい風土そのものに問題があるとしたら、ハラスメント研修だけではなく、もっとオープンで風通しのいい職場環境に変えていく必要があると思っています」

 株式会社ナガセが運営する東進ハイスクールで、全国に映像を配信する衛星事業に携わっていた中西前常務理事は1997年にJリーグへ入局。事務局長や事業戦略室長、競技・事業統括本部長を歴任し、2012年4月からJリーグ理事、2014年1月からは同常務理事を務めていた。

 Jリーグのアジア戦略などを推し進めた一方で、2015シーズンから2年間実施されたJ1の「2ステージ制&チャンピオンシップ」導入では旗振り役を務めた。もっとも、移行する経緯に対する説明が不十分だとして、Jクラブのサポーターから激しい批判の矢面に立たされたこともある。

 近年では事業部門のトップとして、今シーズンから『DAZN』をインターネット配信しているイギリスの動画配信大手、パフォーム・グループとの10年2100億円にのぼる放送権契約交渉も担当した。

つづく

6/28(水) 6:00配信 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170628-00000002-wordleafs-socc&;p=1