将棋の史上最年少プロ棋士で、デビュー戦以来無敗の藤井聡太四段(14)が26日、都内で指された竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段(19)に勝利し、歴代単独1位となる公式戦29連勝を達成した。

 東京・千駄ヶ谷の将棋会館周辺は26日、藤井フィーバーに沸いた。今月12日と19日に入荷するや即完売となった“藤井グッズ”のクリアファイル(税込み324円)が1000枚限定で追加販売されるとあって、朝から会館前には行列ができたが午後1時ごろには完売。

 7日に発売し即完売した藤井扇子(税込み2268円)は「ヤフオク」や「メルカリ」にも転売されているが、日に日に高騰し、29連勝を達成した26日には2万円〜4万円台の高値を付けた。藤井四段の28連勝、29連勝を報じた新聞の号外は無料のはずが、セットで3000円以上で取引されている。

 ある30代の女性ファンは「昇段してしまったら“藤井四段”じゃなくなる。中学生棋士の今の藤井クンのグッズが欲しいんです」と、転売品に手を出してしまうファン心理を語る。

 恒例の“勝負メシ”選びにもフィーバーの余波が見られた。昼食の豚キムチうどんがネット上で話題になり、夕食に注文した五目チャーハンは、将棋連盟より先に報道陣や付近のサラリーマンらによって大量注文されたために売り切れに。本人がありつけず、ワンタン麺を選び直したのだ。

 だが、このワンタン麺を食べた後に流れが大きく変わった。夕食休憩前は互角の情勢が続いたが、休憩後の終盤は藤井四段の優勢に傾いた。

 終局後の会見で「連勝記録はいつかは途切れてしまうものなので意識せずにいきたい」と偉業に舞い上がることなく淡々と答えた藤井四段。将棋会館の外で100人以上のファンがその雄姿を待ち受けたが、天才棋士は浮かれるそぶりもなく迎えの車に乗り込んだ。

2017年6月27日 16時30分 東スポWeb
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