◇甲子園15回 学校統合により「閉部」へ

創部100年を迎える高校野球の古豪・神戸市立神港高(神戸市兵庫区)野球部が今夏、学校統合により「閉部」する。
甲子園に春夏通算15回出場して2度全国制覇し、多くのプロ野球選手も輩出した。「最後の夏」を前に、選手たちは
甲子園を目指して練習に打ち込んでいる。全国高校野球選手権兵庫大会は7月8日に開幕する。

同校は1907(明治40)年、私立神港商業学校として創立され、その後公立化された。野球部は1917(大正6)年創部。
市立第一神港商業学校を経て、49年に現校名に。生徒数減少などから昨年4月、市立兵庫商高と統合し、新設の
市立神港橘(たちばな)高となった。

現在、市神港の選手は3年生7人だけ。神港橘は1、2年生部員が37人おり、単独出場も可能だが、「市神港として
最後の夏を共に戦おう」と、両校の連合チームで出場することにした。3年の山本悠里主将(17)は「後輩が合同チームでの
出場を受け入れてくれたおかげ。100年間野球部に関わってくれた全ての人のために校歌を1回でも多く歌いたい」と
意気込む。

市神港の甲子園通算戦績は22勝13敗。第一神港商時代の29、30年にセンバツ連覇を果たした。68年春夏の甲子園に
出たメンバーにはプロ野球・阪急ブレーブス(当時)で豪速球投手として活躍した山口高志さんもいた。甲子園出場は
76年夏が最後で、近年は2012年の県16強が最高。

山口さんと共に甲子園に出場したOB会長の中村信一さん(67)は「閉部は寂しい。グラウンドの場所は同じだが、
そこにいるのは母校の後輩ではないのは複雑な気持ちだ」と話している。

2010年のセンバツ出場など強豪として知られる私立神港学園高校(神戸市)は別の学校。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170627-00000060-mai-base