6月4日に放送された「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、タレントの藤田ニコル(19)が、
茨城県で起きた「いじめ自殺問題」について、加害者に対して独自の意見を述べたことで、批判を浴びた。

ニコルは「いじめた側の子たちが一生罪悪感を背負っていかなきゃいけなくなっちゃう」「ネットで犯人捜しとかあるんじゃないかなってすごい心配です」と、
加害者を慮るかのような発言をしたことで、反発を招いてしまった格好だ。
もちろん被害者が自殺してしまった事件だけに「許しがたい」という意見が噴出することも頷ける。

ただ、自身は貧しい家庭で育ち、中学時代にはいじめで不登校になった過去があり、
ハードな経験をしたことで、かえって逆バイアスがかかり、ついつい影響を顧みない発言をしてしまったのかもしれない。

ニコルもまだ19歳。「サンジャポ」ではクセのあるオトナたちに混じって、臆せず意見を言う素直さに、ティーンからの支持も厚い。
また、そうした素直さの中に垣間見えるハッとさせるようなド直球のコメントは、業界関係者からの評価も高く、あっという間にお茶の間で人気者になった。
そうしたはっきりと自己主張できる人格は、どのように培われてきたのだろうか? 

「ローティーン向けファッション雑誌『ニコラ』(新潮社)や『ポップティーン』(角川春樹事務所)で人気モデルとして活躍したニコルですが、
実はニコモ(ニコラの専属モデル)時代は落ちこぼれだったんです。

しかし、周囲に可愛い子ばかりがいる中で、自分はメイクの研究を重ね、盛ったギャルメイクを発信し続けた結果、人気が出始めたのです。
清純派雑誌の『ニコラ』ではカラコンが禁止されていましたが、ニコルだけ使用を許されるなど独自路線を走り続け、最終的にはメイクの連載を持つまでになりました」(女性ファッション誌の編集者)

こうした逆境の中で生み出した、批判に負けずに主張できるコメント力は、SNSでも最大限に発揮している。
ツイッターではファンからのリプライにかなり丁寧に返事をしたり、自分に対するファンからの反応にファボをつけたり、アンチ発言に対してもうまくいなすなど、積極的にコミュニケーションを取っている。

こうしたSNSでの自己発信は、『ポップティーン』の編集長・森茂穂氏からの指導の賜物のようだ。民放のバラエティー制作ディレクターはこう語る。

「2014年から『ポップティーン』の編集長を務める森氏は、就任1年で雑誌の実売を4万5000部もアップさせた実力の持ち主。

同誌にはニコルンだけでなく、前田希美(まえのん)や、池田美優(みちょぱ)越智ゆらの(ゆらゆら)など若い女性から絶大な支持を受け、
最近ではテレビでも活躍しているモデルたちが多数出演しています。森氏は、こうした多数のモデルを育てる秘訣として『特に大事なのはオリジナリティー。

このジャンルじゃ絶対に負けないってプライドを持っているモデルは強い』と語っています。
そこでまだ何者でもない彼女たちをうまく放任で泳がせ、個性が出てきたことろをうまく拾い上げてきた結果、多数の個性的なモデルを世に出したわけです」

今日のニコルを作り上げたのは、他の個性的な仲間たちと切磋琢磨し、さらに森氏のようなうまく誘導できるオトナたちがてきた結果といえるだろう。
そこで勝ち得た個性は、芸能界でも十分に発揮されている。

「はっきりとした自己主張は彼女の強み。彼女が紹介した商品などは、『嘘偽りなく、いいものはいい!』と言うので、若い女に相当売れるようです。
そうなるとさらにバラエティーでも使いやすくなりますよね」(前出のディレクター)

おバカタレントとして人気を博し、ときには不用意な発言から炎上してしまうニコル。
今回の失敗からまた学んで、さらに独自の世界観を発信していってほしい。(ライター・黒崎さとし)

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AERA 6/26(月) 11:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170622-00000061-sasahi-ent&;p=1