■早大サークル「これはある種のヘイトスピーチ」

薄毛の学生が集まって結成したという早稲田大学の非公認サークル「早大増門会」は22日未明、「豊田真由子議員の発言に対する抗議声明」と題した文書をツイッターで公開した。
同サークルは16年4月に創立。
17年6月現在、22人の現役大学生が所属しており、通常は「育毛研究や発毛研究、ハゲの人権回復運動」などの活動をしているという。

今回の声明では豊田氏の発言について、
「全国の薄毛や抜け毛に悩む、いわゆるハゲと呼ばれる方々の実情と心証を全く無視した発言であり、彼らは深い悲しみと憤りを憶えたに違いありません。
これはある種のヘイトスピーチであり、豊田真由子衆院議員は国民の代表たる政治家としての資質に著しく欠如していると言わざるを得ません」
と厳しく非難。

その上で、(1)豊田議員の謝罪と発言の撤回、議員辞職(2)各政党における再発防止策の徹底(3)薄毛への差別徹底などのための早急な法整備――の3点を要求している。
いったいなぜ、こうした声明を発表したのか。

同サークルの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に、
「第一報を確認した会員から『これはハゲを侮辱しているのではないか』と通報がありました。
それを受けて会内で協議を行い、政治家という身分の者が差別的発言を行なったという事態の重要性を再確認しました。
そして何かしらの意思表示を会として行うべきと一致した次第です」
と説明する。

続けて、「このハゲ」という発言を耳にした際の心境について、担当者は、
「率直に言って驚きました。
私たちもハゲと罵倒されることはよくありますし、慣れていますが、あそこまでの絶叫は見たことがありません。
ハゲを侮辱していることへの怒りが湧いてきたのは、その後でした」と振り返る。

■「はげます会」幹事長「その程度の人間だということです」

一部の男性の悲しみの声に共感するのが、頭髪の薄い男性が集まる青森県鶴田町の「ツル多はげます会」の成田晃生(あきお)幹事長(81)だ。
同会は「禿げの光は 平和の光 暗い世の中 明るく照らす」をモットーに、「ハゲ頭」をネタにした町おこし活動を行う団体だ。

20代前半から頭髪が薄くなってきたという同会幹事長の成田さんは、6月23日のJ-CASTニュースの取材に、

「ちょっとあの発言は酷いですよね。私はもう高齢なので、そこまで怒りの感情は湧きませんが、もし若い頃に言われていたら『何だコノヤロー』とかなり憤っていたと思います。
今はハゲ頭をネタにできるようになったのですが、何だかんだ言って薄毛は大きなコンプレックスでしたから」
と話す。その上で、豊田議員の発言にショックを受けている人が出ていることについては、

「あのような言葉を発するということは、その程度の人間だということです。いくら学識がある国会議員といっても、それは変わりません。皆さんもあまり気にしないで欲しいですね」
と励ましの言葉を送っていた。