相撲部屋なんかでも、「かわいがった」後輩にちゃんこを任せると、
異物を入れられることが多かったらしい。
だから、その疑惑が生まれそうな場合、上の力士が食べる前に、
調理した力士に目の前で先に「毒見」させる。あるいは、調理
とは別の見張りをつけておく。

中国なんかの街中の一般の食堂やレストランで、厨房オープンで
客の席から見えるようにしているのも、異物混入だけでなく、
材料、特に前の客の食べ残しの混入や使い回しに対する疑惑発生
を防ぐため。
日本と違い、食べ残しが「満足と感謝の意思表示」の中国では、
食べ残しが一般的だが、食堂側は使い回し疑惑を払拭するためも
あって、他の客の前でこれ見よがしに食べ残しをゴミ処理する。

ところが、東南アジアではこれをやらないで、前の客の食べ残しを
使いまわすところも普通にある。おれはベトナムでこれを経験した。
改めて熱を通すのならまだ許せる。おれの場合、その部分だけ
冷え切っていたから直ぐ分かった。あまりの堂々としたやり方なので、
あれがベトナムの慣習なのか、親切で量を増やしてくれたの、いまだ
分らない。そんなことないよな。日本以外では食堂も油断も隙もない。