今秋ドラフトの目玉で高校通算100本塁打の怪物スラッガー・早実の清宮幸太郎内野手(3年)の進路に関して仰天情報がささやかれている。これまでは早大進学か、プロ入りの2択とみられていたが、ここへきて米国の大学への進学説が浮上しているというのだ。米大進学→メジャー行きのウルトラCルート。果たして、その真偽のほどは…。

 清宮が将来的にメジャーを志望しているのは周知の事実だが、これまでは早大を経てプロ入りするにせよ、高卒でプロ入りにするせよ、NPBを経由し、海外FA権等によっての米国挑戦が有力視されていた。それが最近になって、違う選択肢が浮上しているという。早実OBの一人が言う。「米国の大学に行くんだよ。父親の克幸さんはすでに親しい人間には漏らしている。(清宮は)もともと頭がよくて、中学のときは将来のメジャー挑戦を見据えて英語部の部長も務めていた。清宮なら言葉の壁につまずくこともない」

 克幸氏はすでに米国在住の複数の知人に「幸太郎がそっちに行ったときは、よろしく頼むよ」と話をしているという。清宮はリトル時代に世界一になった経緯で、米国のアカデミー(野球教室)にも人脈があり、また日本のような過熱した報道にさらされる心配もない。米国では日本と違い元プロがアマチュア選手に指導することも可能で高校卒業後、9月に入学するまでの半年間、元メジャーリーガーから直接指導も受けられる。進学先の候補としてはスタンフォード大やUCLA、南カリフォルニア大、アリゾナ州立大といった名門大が挙がり、メジャーの近道になると同時に学歴としても申し分ない。

 十分、選択肢の一つになるわけだが、清宮本人の考えはどうなのか。早実の副主将で中学時代に米国に留学、米国のシニアリーグでプレーした経験を持つ福本翔(3年)は「米国と日本では野球に関する考え方が全然違う。日本だとミスした選手に対して『何やってんだ』という雰囲気や、根性論のようなものがあるけど、米国は基本的にエンジョイベースボール。清宮もそういうところに共感してくれて『米国だとこういうときどうなの?』とよく聞かれるし、ミスした選手を責めるのはやめようとか、米国の野球を意識してチームづくりをしてきました」と話す。試合中に捕手が守備位置を伝えるジェスチャーも早実では頭の前後で手を上下する米国式で、これも福本と清宮の話し合いによって採用されたもの。清宮の米国野球への強い関心はうかがえる。

 米大リーグ・アストロズの大慈彌功環太平洋担当スカウトも、清宮の米国大学への進学を支持する。

「最終目標がメジャーだったら、絶対に米国の大学に行ったほうがいい。やっぱり、米国の大学生のほうがメジャースカウトの目に留まりますから。私は大谷くん(現日本ハム)のときは日本に残るべきだと言いましたが、清宮くんなら素材としては十分通用する。向こうの大学には150キロのボールを投げるピッチャーがごろごろいる。そんな同じメジャーリーガーの卵と切磋琢磨できる環境は、必ず本人のためになる」

 清宮の米国大学進学説について、早実監督時代に若き日の王貞治ソフトバンク球団会長を指導した早実OB会長で現中央大総監督の宮井勝成氏は「そういうことは言っているらしいが、俺にはわからんよ」とコメント。克幸氏は「どこから聞いたんだよ、そんなの。まったく」と一蹴したが…。日本中が注目する清宮の進路。今夏の戦いを終えた後、怪物はどんな選択をするか。
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