「関西化する地上波テレビ」がなぜ危険か


第一要因は「ワイドショー化」である。関西にはワイドショーがやたら多く、人気番組が長続きしている。
たとえば午前中には朝日放送では「おはよう朝日です」と言う番組が35年以上やっていて、毎日放送の
午後番組「ちちんぷいぷい」も有名だ。しかし関東のテレビは以前はワイドショーは少なかった
90年代にはフジテレビの朝にはポンキッキーズだったしTBSははなまるマーケットと言う生活情報番組で、
ほかは朝ドラなどもあり、朝のワイドショーが存在している局はごく一部だった。
気付けば早朝から夜7時前までひたすらワイドショー三昧なのである。これは、長年関西地区にだけ
あったような「在阪局の論理」を煮詰めて、そして拡大して、殆どのキー局にあてはめたような感じがある

第二要因が「時事バラエティ化」である。関西では、故やしきたかじん司会番組などで、週刊誌系の
政治ゴシップや芸能ニュースをネタにした者が充実している。ワイドショーにも重なるが、フリップに
記事の内容をまとめて、それを指し棒でつつきながらダラダラ喋る芸風は、本来たかじんさんの手法だ

私が記憶している限り、2000年代までテレビに「時事バラエティ」なんてジャンルはなかったと思う。
時事ネタはニュースにしかないし、ワイドショーがオウム事件を取り上げるくらいしかなかった。
しかし、時事と娯楽と言う本来は接点のないものを結合させたのは、たかじんさんがきっかけだろう

第三要因が「共同体化」である。関西ローカルには、関西ローカルにしか存在しないタレントのムラ社会がある。
たかじんさんもそうだし吉本芸人の異様な存在感とか、関東人からすると知らない人、こんな人が
なぜここまででかい面をしているんだという印象のものが少なくない

次は東京の番ではないか。気づけば、もう環境は整っているのだ。関西を凌駕するほど大量に増えたワイドショーや
時事バラエティ。芸能ゴシップの話題をしていたと思いきや、気付けば同じメンツがしかめっ面で政治談議を
していて、どのチャンネルもどの時間も同じ話題を同じ切り口で伝えているではないか