「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。◎◎の件です」
というメッセージが、なぜか本誌に届いた。「北村さま」に転送しようとし、誤ってそのままこちらへ返信してしまったのだ。
◎◎には被害女性の苗字が記されている。その文面から、かねてより山口・北村間で今回の事案が問題視され、話し合われてきたことがわかる。
北村と聞いて頭に過(よぎ)るのは、北村滋・内閣情報官(60)を措いて他にない。
国内外のインテリジェンスを扱う内閣情報調査室のトップを5年余務め、今夏には官房副長官への就任が確定的な北村氏は、今年だけで「首相動静」に54度も登場する。
水面下における接触も推して知るべしで、いわば総理の眉間の皺の数まで諳んじる男なのだ。
この点を山口氏に質すと、
〈私がこの件を含む様々な相談を差し上げている民間人でご指摘の人物ではない〉
と否定し、北村氏は、
「何もお答えすることはありません。すいませんが。(いつから相談を? )いえいえ、はい。どうも」
という対応で、ならばと記者たちに振ってみたところ、
「北村滋以外いないでしょ」と誰もが口にする。単なる偶然だろうか、官邸重用の警視庁刑事部長、アッキー、北村氏……と総理周辺の名ばかりが挙がるのは。

「週刊新潮」2017年5月25日号 掲載