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村田諒太「胸騒ぎがした」不可解判定にも言い訳せず

村田は「胸騒ぎがした」と判定前の心境を振り返った。
「ロンドン五輪の決勝は勝ったなと思っていたんですけど、今日は手が
上がる前に変な予感はしていました」。結果が読み上げられる。
1−1で迎えた3人目。悪い予感は的中する。115−112、呼ば
れたのはエンダム。瞬間、村田はがっくりとうなだれた。

所々赤く腫れ上がった、プロでは初めての試合後の顔で、「結果は結果
なんで。僕自身がどう受け止めたかではない。第三者の判断が全てです
から」と言った。言い訳はしない。

 ボクシングは採点競技。アマ、プロを通じて151戦目、それは痛い
ほど分かる。エンダムの手数の多さを優勢とみたことも分かる。ただ不
可解な気持ちは時折見せる笑顔の下に隠した。「もう1、2回ダウン取
れば勝てる試合だった。それが原因」。自分に理由は求めた。

世界的プロモーターで帝拳ジムの本田会長は「ひどすぎる。作戦通りで完
璧だった。今までで一番最低の採点だ。負けは絶対にない」と声を荒らげ
た。WBAの立会人も村田を支持していたという。同ジムで村田の先輩とな
るWBC世界バンタム級王者山中も「全部、上回っていた。ジャッジに対し
てショック」と述べた。

 村田は今後について、「気持ちの整理は必要です。集大成として見せた
いところが今日だった。負けたからもう1回頑張るんです、とは言えない。
簡単な日々を歩いてきたつもりはないので」と話した。ミドル級は世界の
花形階級で、世界戦を日本で組めたのは異例中の異例だった。機会をつ
くってくれた周囲を裏切る結果に、落胆は大きい。

 本田会長は「4年間この試合のためにかけてきた。再戦はやる気は
ない。本人には申し訳ないけど」と苦しい胸の内を明かした。世紀の大
一番は、大きな疑問を残して終わってしまった。