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興毅・大毅は引退したのに……日本ボクシング界に受け継がれる
“亀田流”と統括団体「WBA」のザル運営

マッチメイクにはファンの批判が集まっている。河野と田口の対戦相手は、
それぞれ世界7位のランカー。だが、前月発表のWBAランキングでは名前が
掲載されていない“急造ランカー”だったからだ。両者とも今年に入って
試合はしておらず、急にランクインする理由は見当たらない。

 河野の相手インタノンは過去、現役の世界ランカーと対戦したことがなく、
世界ランクに入るステップの地域タイトルなども獲得していない。田口の
相手ランダエタの方はWBAミニマム級の元暫定王者で、亀田興毅をKO寸前
にまで追い詰めながら判定負けして有名になった選手だが、日本では定年
に規定される37歳。しかも、6年前に引退していた。昨年復帰した後の戦
績は2勝1敗で、前回はWBCの14位ランカーをKOしているものの、他団体で
あるWBAの7位にランクインする理由は見当たらない。おそらくは対戦が決
まってからランクに名を連ねてもらうよう、政治力でねじ込んだのではな
いかと思われる。同様のケースは、亀田兄弟のマッチメイクにも見られ、
批判があったものだ。

 もうひとり、内山の方は暫定王者との統一戦だが、昨年ワタナベジム
は他の有名選手とアメリカで対戦するプランを明言しており、それがフタ
を開けてみれば日本で通常の防衛戦となったことに、ファンからはガッカリ
の声が多々。相手が暫定王者といっても、WBAは同じ階級にスーパー王者、
正規王者、暫定王者の3人を常に並べてきたため、ビッグマッチ感はない。

 同じWBAのベルトを持つ日本人チャンピオンにはフライ級の井岡一翔が
いるが、こちらも実はスーパー王者と暫定王者が上下にいて、井岡は真
ん中の“B級チャンピオン”でしかない。そのため最近、井岡が口にして
いる「他団体との統一戦」も、他団体王者から同等に見られていないため、
実現の可能性は低い。

 言ってしまえば日本ボクシング協会が認めている4つの統括団体の中で最
もひどい運営をしているのがWBA王座で、その価値は最下位にあると言え
る。引退した亀田兄弟が獲得したのも、興毅が3階級うち2つがWBAで、大
毅も2階級ともWBAだった。3階級制覇している井岡もすべて価値の低いWB
A王座を獲ったもので、ライトフライ級時代には3年前、スーパー王者の
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と統一戦を指示されたのに、井岡
側がこれを回避。海外では大金を支払って相手側に許してもらったとい
う話が伝えられ、井岡は以降、「イオカメダ」とバッシングされるよう
になった。亀田興毅も現役時代、スーパー王者との統一戦から逃げるよ
うにして、対戦命令を出された直後に返上している。そんなことが許され
るWBAに対しては、ファンから「脱退してしまえ」という声が飛ぶほど。

 世界ランクを自由に操作でき、義務であるはずの指名試合からも逃げ
られる。なぜこんなバカげたことがまかり通るのか、ボクシングに詳
しいジャーナリストの片岡亮氏に聞いてみた。

「プロの世界ではアマチュアと違って、興行の主催者が好きなように
マッチメイクできるため、弱い対戦相手と当てればチャンピオンとし
て延命できます。海外だと、そんなことすれば客が入らず金にならな
いので、選手サイドがより強い選手を求めてビッグマッチが実現する
んですが、日本では誰とやってもテレビ中継で実況アナウンサーが誇
張して伝えてくれますし、スポーツ紙も変わりなく取り上げてくれる
ので、プロモーターが努力しない傾向があります。特にテレビ局はイ
ンチキランカー相手の試合でも『ボクシングに詳しくない一般世間に
は、それと気付かれない』とタカをくくっていますからね。日本の場
合は所属ジムが選手より力を持っているので、選手本人がいくら強い
相手とやりたがっても、ジム側が儲からない話にはゴーサインを出さ
ないというのも理由です」