インターネット通販大手アマゾンの日本法人が手掛ける電子書籍読み放題サービス「キンドル アンリミテッド」(月額980円)をめぐり、提供作品を一方的に削除され損害を被ったとして、人気漫画家の佐藤秀峰(しゅうほう)さん(43)が今年1月、アマゾン側に約2億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしていたことが19日、分かった。

 佐藤さんは「ブラックジャックによろしく」「海猿」などの作者。訴えたのは、佐藤さんが代表を務める「佐藤漫画製作所」。

 佐藤さんが同日、自身のウェブサイト上で公開した訴状などによると、同サービスは平成28年8月に始まり、佐藤さん側も作品を提供。アマゾン側は、佐藤さん側と「同年12月31日までは正規の対価にロイヤルティーを上乗せして支払う」との契約を結んでいた。

 しかし8月末にアマゾン側から「支払い方法を変更したい」と申し出があり、佐藤さん側が「不利益変更は認められない」と拒否すると、9月1日に提供作品が削除された。上乗せ期間が終わった今年1月からは作品配信が再開された。

 アマゾン側は「作品の配信・停止の決定権はアマゾンにあり賠償責任はない」と反論しているという。


2017.5.19 19:14
http://www.sankei.com/affairs/news/170519/afr1705190039-n1.html