星野副会長ニヤリの楽天“ピチピチ”戦略 新人投手3人衆が早速1軍戦力に 2017年5月8日
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20170508/bbl1705081100002-n1.htm

 楽天の星野仙一球団副会長(70)がニヤリと笑い、こう言った。

 「チームが若返っただろ? ドラフトがうまくいっているからな」

 開幕前の下馬評が低かったチームは4月30日・日本ハム戦(札幌ドーム)にも2−1と競り勝ち、パ・リーグ首位のまま5月戦線に突入。
同日時点で2位・オリックスに2ゲーム差をつけ、勝率・762は両リーグを通じてダントツだ。

 星野氏が言う通り、原動力は若手中心のチーム構成。スタメンには20代の選手の名前が並びピチピチ感があふれている。

 楽天は最近のドラフトで特徴ある指名戦略を展開してきた。2015年は育成枠を含めた指名選手9人のうち、3位の茂木ら8人が野手。
昨年は一転、同じく指名14選手中11人が投手。これが奏功し、今季は30日にプロ初勝利を挙げた5位・森原(新日鉄住金広畑)、4位・菅原(大体大)、9位・高梨(JX−ENEOS)の新人投手3人衆が早速1軍の戦力になっている。

 この方針の号令をかけているのが星野氏。

 「ドラフトはな、上(球団の意向)を見て(選手を)取っちゃいかん。下(チーム状況)を見て取るんだ」

阪神、楽天監督時代から「チーム強化には編成の強化が先決だ」と力説していたが、今は球団トップとして編成方針を立て有言実行している。

 その動きは実に精力的だ。昨季からアマ球界を熱心に回っているが、今季は指名獲得した選手の現状を見ようと2軍の試合に足を運んでいる。

 4月8日にはジャイアンツ球場でのイースタン・リーグ巨人戦に登板した1位・藤平(横浜高)を視察し、状態を把握した。
それ故に梨田監督が1軍での起用を模索した際、「まだ早い、いかん」とダメ出し。
それでも「5月に1軍投手陣との兼ね合いをみて、OKを出そうと思っとる」と明かしてくれた。

 星野氏は「今のチームはたまたま回っているだけ。まだ選手が足りん」と話すが、関係者は「2年間の集中指名で補強ポイントは改善されてきた。今年は大物で勝負するかと話し合ってます」。