巨人のドラフト戦略に変化が生じているという。

1位候補の軸は高校通算93本塁打の早実・清宮幸太郎(3年)。さる14日の熊本での招待試合には7000人もの観客を集め、行く先々で「フィーバー」を巻き起こす。
遠征しただけでスポーツ紙の一面を飾り、2番打者が敬遠されて勝負されたことが物議を醸す。最後の夏へ、注目度は高まるばかりだ。

東京出身。巨人は松井秀喜以来、生え抜きのスターがいないといわれて久しい。岡本ら爆発力を秘める高卒の大砲も育っていない。
清宮は喉から手が出るほど欲しい人気者であり、スラッガーである。プロ志望を表明すれば、
巨人が手を挙げないはずはない。と思われたが、ここにきて風向きが変わっているという。

「今年の候補は清宮を筆頭に打高投低といわれる中、巨人が熱心なのは、ナンバーワン左腕の呼び声高いJR東日本の田嶋大樹(20=佐野日大高卒)。
スリークオーター気味のフォームで最速152キロ。
巨人では山口鉄に近いタイプです。ヤマハの鈴木、中大の鍬原のともにMAX152キロ右腕の評価も高い。球団には、今度こそ1年目から活躍してくれる即戦力、と待望する声がある。
清宮はプロ入りか大学進学かを表明していない。高卒ルーキーでいきなり30本塁打するわけではないだろうし、それより即戦力の3投手だというのです」(球界関係者)

■過去3年間は誰も一軍の戦力になれず

最近3年間のドラフト1位は、14年・高校生野手の岡本、15年・大学生投手の桜井、16年・大学生野手の吉川尚。誰も一軍の戦力になっていない。
1位に限らず、この3年間の入団選手は、ドラフト4位ルーキーの池田が中継ぎとして奮闘しているくらいで、
一軍のレギュラーに定着しておらず、そのため「1位は即戦力」との声が球団内に根強いのだという。

16日現在、3位に沈むチーム状況も関係する。
打率.247はリーグ3位、防御率3.17は同2位。
特に最近まで12球団トップだった自慢の投手陣が広島2連戦で19失点と火だるまになったばかり。マイコラスら外国人3投手は主力だが、助っ人はあくまで助っ人。
日本人で信頼できるのはエース菅野ひとりというのは、貧打以上に不安なことなのだ。

先日、両リーグが今季開幕からホーム、ビジターでの対戦カードが一巡した第1クール終了時の入場者数と平均試合時間を発表した。
巨人が前年比9・3%減でワーストとなったが、これは熊本、鹿児島の地方主催2試合が含まれているため。
東京ドームの試合は常に4万5000人前後を集めており、チーム関係者は「減っている印象はない」と胸を張る。

それなら人気者より即戦力――。これから加速するフィーバーとは反比例して、巨人が清宮の指名を回避する可能性が浮上している。

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日刊ゲンダイDIGITAL 5/18(木) 9:26配信