黒田総裁は11月の講演で、金利を下げすぎると金融機関の収益が悪化し、かえって貸し出しが減るなどの逆効果が起こる「リバーサル・レート」という学説に言及し、銀行経営に配慮する考えを示した。

市場では「政策調整への地ならしでは」(債券アナリスト)として、現在0%程度で誘導する長期金利(10年物国債利回り)の引き上げ観測がにわかに高まった。

 ただし日銀が動くにはハードルが多い。物価が上がりきらないうちに金融引き締め観測が強まれば、先行して金利上昇や円高を引き起こし、景気を冷やしかねないためだ。