>>377
量子論を代表する奇妙な現象のひとつに量子的重ね合わせ(superposition)の状態がある。
箱を開けて観察するという行為をもって生死が決定される「シュレーディンガーの猫」に例えられるように、この量子的重ね合わせの状態では“生”と“死”という2つの状態が共存しているのである。

 すると人間が夢を見ている時の状態というのは、肉体は現実Aにありながら意識は現実Bにあるという2つの状態が共存した量子的重ね合わせの状態であるのかもしれないのだ。そして“目覚める”ことで毎朝、現実Aに“決定”される。

 ではこの“現実B”のほうは実在する世界なのか? そこで魅力的な概念として浮上してくるのが、多世界解釈(many-worlds interpretation)や多元宇宙論(multiverse)で考えられている“パラレルワールド”だ。
もし夢を見ている最中の我々の意識がパラレルワールドにあるとすれば、この“現実B”も実在する世界ということになる。