「割ると思う、割ると思うんだ。良くはわからないけどね」
ウェールズのベティおばさんに教わった紅茶の淹れ方を確かめながら僕は言った。
「掘るなら東京中だし、もしくは、それは今でなくっちゃいけない。まるで、20代に入って初めて手に取った哲学書に夢中になるようにね」
続けて口に出すと、ひどく現実味を帯びてきたように僕は錯覚した。やれやれ、と苦笑しながら僕はチャートを閉じた。このフランスの片田舎は今日も晴れている。