>>861
日本人のクジラ食文化は存在していました。縄文時代から弥生時代にかけて、日本各地の遺跡で鯨類の骨が出土しており、鯨類を利用していた可能性が高いと考えられています。江戸時代には、鯨組と呼ばれる大規模な捕鯨集団による組織的捕鯨が行われており、鯨肉は珍味として食されていました。明治時代には、西洋式の捕鯨技術が導入され、日本は世界の主要な捕鯨国の一つとなりました。鯨にまつわる食文化や用途、信仰、芸能なども多様に発展してきました。

次に、欧米は昔からクジラを食っていたというのも正確ではありません。欧米の捕鯨は、主に鯨油や鯨骨などの産業資源として行われており、鯨肉はあまり食用にされませんでした 。特にアメリカでは、19世紀後半に石油やプラスチックの発明により、鯨油の需要が減少し、捕鯨を中止しました 。その後、20世紀に入ると、鯨類の保護運動が高まり、捕鯨に反対する国が増えていきました 。

さらに、戦後の欧米食文化の輸入によって捕鯨が始まったというのも事実ではありません。戦後、日本は食糧難に陥り、GHQは日本の食料増産のために捕鯨を奨励しました。しかし、それは日本に捕鯨を始めさせたのではなく、すでに行われていた捕鯨を再開させたに過ぎません 。GHQは日本の捕鯨史を改ざんしたわけではなく、日本の捕鯨文化を尊重しました2。

最後に、日本人は動物を殺したくないから嫌だったというのも一概に言えません。日本人は古来から、鯨やイルカなどの海産物を食べることに抵抗がない地域も多くありました。もちろん、動物愛護の観点から捕鯨に反対する人もいますが、それは個人の価値観の問題であり、日本人全体の意見ではありません 。日本は持続可能な捕鯨を目指しており、鯨類の資源管理や科学的調査にも取り組んでいます 。