TBS NEWS DIG 中国経済、すでに“デフレ入り”?
■中国のインフレ率が0%に
日本にいると物価上昇率ゼロは特に驚くことではありませんが、中国のような潜在成長率がまだ高い国で、特殊要因がない時期に物価上昇率がゼロになるなんて、ただならぬことが起きていると、感じさせる数字です。
同じ日に発表された6月の生産者物価(卸売物価)指数は、前年同月比でマイナス5.4%と、マイナス幅がさらに拡大しました。
生産者物価は、2022年の後半からずっとマイナス圏に沈んだままです。
生産者物価は消費者物価の先行指標なので、今後、中国の消費者物価がマイナスになることも考えられます。東京財団政策研究所の主席研究員である柯隆さんは「中国経済はすでにデフレ入りしたと判断して良い」と話しています。
背景には、倒産と失業があります。コロナによる大規模都市封鎖で多くの中小企業が倒産しました。東京財団の柯隆研究員は「中小企業400万社が倒産した」と分析しています。
中国国家統計局によれば、6月の都市部の16〜24歳の若年層の失業率はなんと21.3%に達し、上昇の一途です。
これは、都市部に戸籍がある若者に限った数字で、農村出身の出稼ぎの若年層は含まれていないので、実際の都市部の若年失業率は、もっと高いと見られます。