>>422
同社の分解装置は、廃プラスチック(以下、廃プラ)とマイクロ波*を吸収するフィラーの混合物にマイクロ波を照射して、廃プラを熱分解する。主にフィラーがマイクロ波を吸収して加熱され、その熱が廃プラに伝わる(図2)。フィラーには炭素や金属の粒子を使い、「粒子の大きさや廃プラとの混ぜ方を工夫している」(同社事業開発室リーダーの亀田孝裕氏)という。
* マイクロ波 周波数が300MHz~300GHz(波長では1m~1mm)の電磁波。

 マイクロ波は狙いの物質に選択的に、かつ、リアクター(反応器)内部までエネルギーを送れるので、加熱時間が短く処理速度が速い。従来の水蒸気などを加熱媒体にする方式はリアクターの壁面から熱を与えるため、中心部まで熱が伝わるのに時間がかかる点が課題だった。加えて、マイクロ波方式はエネルギーの供給源である発振器が比較的小さく、装置の小型化に向く。従来の方式では熱源の確保にボイラーなどの大型設備が必要だった。