ばらまきバイデン政権の裏で起きる意外なこと
長期金利上昇やインフレ以外にも心配の種?
かんべえ(吉崎 達彦) : 双日総合研究所チーフエコノミスト   2021/03/13 6:00
https://toyokeizai.net/articles/-/416544
国民の受けが良い「大規模な財政支出」に成功
この法案は何より国民の受けが良い。理由は簡単、「国民1人1400ドル」の給付金が入っているからだ。

今回のARP法は、「最貧困層20%の所得を20%かさ上げする」のが売りである。トランプ時代の経済対策は、減税な
ど富裕層や大企業向けのトップダウン型であったが、バイデン政権が目指すのはボトムアップ型の対策と言えそうだ。
1.9兆ドルという規模は、対GDP比で9%に及ぶ。オバマ政権が実施した「2009年アメリカ再生・再投資法」(7870億
ドル)は5.5%であった。そのときは「大きい!」と驚いたものだが、今では「規模が足りなかった」という評価になっている。
国民に対するアピールも十分ではなく、オバマ政権に対する浮揚効果も乏しかった。たぶんバイデン氏は、これから
ARP法の効果を宣伝して、政権支持率の向上に結び付けようとするだろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/416544?page=2
ゆえに時間稼ぎのような抵抗はあったものの、本気ではなかった。3月6日には、共和党のダン・サリバン議員が身内の
葬儀のために選挙区のアラスカに帰ってしまい、法案は50対49であっけなく成立した。カマラ・ハリス副大統領が「最後
の1票」を行使する必要さえなかったのである。