動物性脂肪より植物性脂肪の方が健康にいい?

脂肪酸を室温に放置してみましょう。
飽和脂肪酸は固形状になり、不飽和脂肪酸は液状のままです。
そこでバターやラード、ヘッドなど動物性脂肪は飽和脂肪酸、
植物油は不飽和脂肪酸と決めつけがちですが、
牛肉やバター、鶏卵など動物性脂肪にも不飽和脂肪酸は含まれていますし、
植物脂肪でもヤシ油などはほとんど飽和脂肪酸でできています。
動物、植物、魚類由来の脂肪には、それぞれ異なった種類と量の脂肪酸が含まれているので、
これらの食品をバランス良く食べる必要があるのです。
動物性脂肪だからダメ、植物性脂肪だからいいというものではないのです。

健康を考えるなら、動物性、植物性を問題にするのではなく、
SMP比が3:4:3になるような食事が理想です。
幸いなことに現状の日本人の食事は、この比率で脂肪を摂取しています。
肉など動物性食品に含まれる飽和脂肪酸にも、ス
テアリン酸やオレイン酸のようにコレステロールを下げる脂肪酸があります。
また、コレステロールが多いとされる鶏卵にもオレイン酸は多く含まれています。


このように脂肪酸にはそれぞれ特徴があり、生体内で精妙に影響し合い働いていると考えられます。
動物性脂肪、植物性脂肪とこだわらず、さまざまな食品からいろいろな脂肪酸を適度に摂るのが、
健康的といえるでしょう。