笑顔を見せても表情が歪んでいる。熱心に話しても、モゴモゴと口ごもって聞こえる。きっと不器用なのだ。でも国民はいま、そんな陰気なオーラのリーダーを求めていない。気分が滅入ってしまう。

キョロキョロ、オドオド
官邸内の暗がりの中に、落ち武者のような菅義偉総理の姿が、白く淡いライトを浴びて、ぼうっと浮き上がる。

「ニヤァ」

そして菅は、チラチラ左右に目を泳がせながら幽鬼のように笑う。いや、笑ってはいないのかもしれないが、そう見える。

全国民が感じてしまう、菅という男の耐えがたい暗さ-。