奈良市立小・中・高校3校を高齢男性が訪れ、各1000万円を渡して立ち去っていたことがわかった。同市教育委員会が25日、発表した。男性は名乗らず、「子どもたちのために使ってください」と話していたという。市教委は寄付として受け取り、各校の教育活動に活用するとしている。
 同市教委によると、男性は70歳代くらいで、24日午後、自転車で市立済美小、春日中、一条高を相次いで訪問。対応した各校の職員らに1000万円が入ったポリ袋を手渡した。男性は職員らが声をかける間もなく立ち去り、職員らが追いかけたが、姿を見つけることはできなかったという。
 奈良市では昨年6月にも、市役所を訪れた60〜70歳代くらいの男性が「新型コロナ対策支援寄付金」として、ポリ袋に入った3000万円を職員に手渡し、立ち去っていた。市教委は同一人物の可能性があるとみており、「ご厚意を大切にしたい」としている。

読売新聞