明日の株式相場に向けて=ファストリ“5000円高”の裏側
2021/02/18 17:03
ここ最近の日経平均はほとんど一部の値がさ株を使った“作られた指数”であって相場の実態とは
異次元レベルでかけ離れているということがいえる。一部の値がさ株というのは、
もっと踏み込んだ言い方をすればファーストリテイリング<9983.T>である。
きょうの東証1部上場企業の売買代金ランキング上位を見れば唖然とさせられるくらいに、
第2位のファストリの突出した4700円高が浮き上がって見える。
一時は4850円高と5000円高に手が届くかどうかという場面まで上値を伸ばした。
裏側の事情はよく見えないが、仮に同社株を持たざるリスクがあるとすれば、
それは同社のファンダメンタルズには関係のない全体指数に絡む戦略以外にない。

 もちろんファストリが悪いわけではないが、この時価総額11兆円超の大企業が
指数を振り回す魔法の杖となっている事実は否めない。
「日銀のETF買いの弊害として真っ先に挙げられるのはファストリに
極端な品薄感をもたらしたことだろう」(ネット証券マーケットアナリスト)
という声もある。最近はTOPIXと日経平均の遊離が激しく、
NT倍率の上昇が際立っていることも話題となったが、それも歪んだ
地合いが反映されたものだ。