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本書の中でも言及されていますが、トランプ大統領はエスタブリッシュメントや政府の役人のことを「ディープ・ステイト(Deep
State)」と呼んでいます。そのうえで、「沼の水を抜け(Drain The Swamp)」という比喩を使って、「彼らを排除せねばなら
ない」というメッセージを発信しています。ボウフラがわき、悪臭を放っている「沼」のイメージと、腐敗した既得権益者のイメ
ージを重ね合わせているわけです。

日本人からすれば、「WWG1WGA」や「ディープ・ステイト」「沼の水」と言われても一見何のことだかわかりません。しかしそこに、
こうした「反エスタブリッシュメント・反ワシントンを掲げた、『真実を知る人々』による結束」というイメージが込められていること
を知れば、米国の一部で展開されている陰謀論的トランプ支持の動向も理解することができるのです。

「WWG1WGA」は書籍の中で、米主要メディアにフェイクニュースとレッテルを貼る一方、Qアノンの投稿を「米国民に真実を
伝達するもう一つのメディア(Alt Media)」と位置づけています。Qアノンは、マスコミに対するオルタナティブという自己イメー
ジも活用しているのです。

米国民はQアノンのメッセージを通じて真実を把握し、「目覚める」――。『偉大なる覚醒への招待』というタイトルには、
そうした意味が込められています。