古典的な手口で「30億円」! なぜコロワイドの会長はコロッと騙されたのか
2020年07月28日

外食大手コロワイドの蔵人金男会長が「M資金」詐欺で30億円をだまし取られたらしい。報道によれば
逮捕された男たちは「2800億円の『基幹産業育成資金』を提供できる人物を知っている」などと言って、交渉費や資金を保管する倉庫の金を
だまし取ったという。この「基幹産業育成資金」は、以前から注意喚起がなされていた。2018年2月22日に財務省がWebサイトに
名指しで注意するように呼びかけていたのだ。

バカバカしいと思うだろうが事実、「M資金」のような話に飛びつく経営者の多くは「オレに対して日本政府が手を差し伸べるのは当り前だ」
くらいに考えているのだ。今から15年くらい前、ある詐欺事件を追っかけていたら、企業経営者に「M資金」による融資を持ちかけている男につながった。
彼は自分が関わっているものは旧日本軍からGHQが押収した隠し資産などと言われている「M資金」とはまったく異なるものだと強調して、こんなことを言っていた。
「今時、M資金なんて言っているのはだいたい詐欺師。こちらはそういう怪しい話ではなく、財政法第44条に基づいて、戦後日本の発展を
裏から支えてきた”基幹産業育成資金”という非公式ながら立派な政府系金融です。ただ、一部の優良企業だけに融資する特殊性から”マルトク資金”と呼ばれ
世間には伏せられている。これがいつの間にか都市伝説のM資金と混同されたわけです」