FRB議長:より柔軟にインフレ対応、オーバーシュートを容認
Craig Torres、Christopher Condon
2020年8月27日 23:07 JST 更新日時 2020年8月28日 1:38 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-27/QFQ4IWT0AFB401
議長は期間平均で2%のインフレ率を目指すと表明。インフレがオーバーシュートする期間を容認する可能性を示唆
した。雇用の最大化に関する姿勢変更は、労働市場が上向く範囲の拡大を容認することになる。

 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」と説明。「この変更
はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、 特に低・中所得層地域の多くではなおさら
重要だと考える」と述べた。このシンポジウムは例年、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されてきた。

  新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となる前の米経済では、過去最長の景気拡大期においてマイノ
リティーや女性など多様なグループが雇用面で恩恵を享受していた。人種間の不平等を巡り米国全土で社会不安が
起こった現在、金融政策がどうすれば地域社会全体を支援できるかという問題が上がっている。

  米金融当局は長期目標に関する新たな声明で、「雇用の最大レベルへの不足分」を基に決定がなされると表明
した。従来は「最大レベルからの偏差」と言及していた。この変更は、低い失業が過剰なインフレ高進を招くとの懸念
を従来ほど重視しなくなったことを示唆している。