米債券ファンド運営会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、世界トップクラスの利回りを誇るアルゼンチン国債
(2020年6月償還債)を発行額の約30%相当買い入れる投資判断を行ったが、今週に入り通貨ペソが大幅安となったことで思惑が外れた。

 9日段階で額面1ドル当たり104セントで取引されていたこの変動利付国債は、一時過去最安値の同71セントに急落。
指標金利に連動する利回りは13日に過去最高の75%に急騰した。
11日に実施された大統領選挙の予備選で現職のマウリシオ・マクリ氏が大敗すると、通貨ペソが急激に値下がりし、高利回りに伴う投資妙味が薄れた。

 ペソの年初来の下落率は37%で世界の通貨の中で最も大きく、多くのアナリストはさらに大幅な下げ余地があるとみている。

 ブルームバーグの集計データによれば、PIMCOはアルゼンチンが発行した20年6月償還債1420億ペソ(約24億ドル=約2550億円)相当の約30%を保有している。
政府の国債発行再開に先立ちエクスポージャーを拡大した。