株の話じゃないけどこれ面白いな


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59674

昨年12月8日、スウェーデン・ストックホルムで京都大学の本庶佑特別教授が、ノーベル賞記念講演を行った。受賞に日本中が沸き、本庶氏が開発に携わったがん免疫治療薬「オプジーボ」は誰もが知る薬となった。

その3週間前、東京の千代田区、平河町。

消化器癌発生学会総会で行われた、ある研究者による講演は、本庶氏の記念講演ほどはメディアの注目を集めていなかったかもしれない。

出席者も専門家だけなので、会場も満員ではなかった。だがこの日、集まった日本中のがん専門医や研究者たちは、確信した。

「この治療法が確立したら、オプジーボどころの騒ぎではない。がんは結核のように『過去の病』になるぞ……」

登壇したのは、小林久隆氏(57歳)。世界最高峰のがん研究機関である米国立がん研究所(NCI)の主任研究員だ。

小林氏が開発した治療法は、光免疫療法という。国立がん研究センター東病院副院長の土井俊彦氏が解説する。

「光免疫療法は、がん細胞の膜を物理化学的に破壊する画期的な治療法です。副作用が少なく、しかも眠っていた免疫細胞を活性化させて、がん再発の抑制効果まで期待できる、まったく新しい治療法なのです」

実現すれば、医療の歴史を大きく塗り替え、長年にわたってくり広げられてきた人類とがん細胞との闘争に決着を付けることになる。