は借金地獄に耐えることができずに、そのまま帰らぬ人に
誠実な父は、仕事の帰り道に自ら車で橋に激突させて、2度と帰らぬ人となってしまいました。

最後は死にきれなかったらしく、ガソリンを自らかぶって火だるまとなってしまいました。

その日の深夜、警察に事情徴収されていたことだけはっきりと覚えています。

ほんと刑事ドラマのような、あの場面そのままですよ。
かつ丼が出てくるんじゃないのか?って勢いでした。

葬式では顔はグルグルの包帯で巻かれていて、お棺の中の顔を見ることも出来ませんでした。

もう参列者の方々の視線が痛かったです。
何も答えることが出来ませんでした。

決して犯してはならない過ちをした父に対して、私は怒りで涙の一滴も出ませんでした。

私は遺児奨学金で何とか大学を行き続けました。
アルバイトで、死に物狂いで働いておりました。

自分が大学生なんだか社会人なんだかわからない、死闘の4年間でした。

サークルで遊んでいる人達に背を向けて、必死に勉学と仕事を両立させてきました。

毎日テレビドラマと同じような借金取りからの電話や催促が続きました。
それでも負けずに気丈に、そして冷静に対処することは忘れませんでした。