■トランプ米大統領「私はタリフ・マンだ」

 前日の株高を誘った米中貿易摩擦の「一時休戦」ムードを吹き飛ばしたのは、ほかならぬトランプ米大統領だ。ツイッターに「私はタリフ・マン(関税が好きな男)だ」と投稿。
「公正な合意であれば喜んで署名する」と前向きな姿勢も示したが、合意できなければ制裁関税の対象を拡大する構えを改めて示した。
金融仲介会社IGのクリス・ボーチャンプ氏は「貿易戦争の問題は消滅しておらず、中国との交渉で気をよくしたトランプ氏が欧州の同盟国に対しても強気になるかもしれない」と警戒する。
前日に大幅に上昇した建機のキャタピラーや航空機のボーイング、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなど半導体関連銘柄に売りが膨らんだ。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止め観測と米中貿易摩擦の「休戦」観測が相場の戻りを支えていたが、「いずれの問題も棚上げされたにすぎず解決にはほど遠い」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)と慎重な声は多い。
5日がジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の「国民追悼の日」で株式市場が休場になることが売りを助長した面はあるが、年末に向けた相場の戻りへの期待は急速にしぼんでいる