移住相談は急増している

セミナー後は懇親会で交流。知り合いになったゲストのもとを実際に訪れる参加者もいてファンが広がります。
珍しい特産品や田舎暮らしを楽しむ人との出会いに期待する参加者も多いようです。
すぐに移住しなくても
「観光以上、移住未満」のつながりを持ってくれる関係人口を自治体は増やそうとしており、同センターのセミナーは今年500回を超えそうです。

かつて移住相談に訪れる人はシニア層が中心でしたが、今は20〜30歳代が半数を占めます。
移住希望の若い世代の関心は仕事です。この日、別の部屋では山口県が事業承継をテーマに移住セミナーを開いていて24人が耳を傾けていました。
共働きの奥さんと参加していた30歳代男性は「来春に移住を考えていますが、事業承継は少し違うと感じました。転職先を探しています」と話していました。

転職先の企業を見つけやすいのは地方の中核都市でしょう。同センターの高橋公理事長は「最近の傾向は山村より地方都市」と指摘しています。
移住を希望する地域で地方都市は17年に64%と前年より14ポイントほど増え、農村や山村、漁村の希望者は減りました。
政府も地方創生の一環で地方都市の魅力を高める方針を打ち出しています。

ただ人口移動をみれば、地方から東京圏への流入はなお流出より年10万人以上多く、東京一極集中の流れは変わりません。
17年の移住希望先ランキングでトップの長野県の移住相談員は「若い世代は将来、出産や仕事の転機に移住を考えたいという人が多く、とても計画的です」と話しています。
若い世代に関係人口から始めて長い目で寄り添う移住対策が大切かもしれません。