生まれなかった数百万人の子ども リーマン・ショック10年、ミレニアルへの影響
2018年09月14日
キム・ジトルソン、ニューヨーク・ビジネス特派員
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45518238
私は2008年に大学を出た。あの年に米国で大学を卒業した学生150万人の1人だ。
そして私もまた、皆と同じように、予想もしない事態に不意を突かれた。
私たちが当時何を期待していたかはさておき、今の私たちは借金が多く、子どもが少なく、たくさんの傷を負った世代となった。
世界金融危機から10年。何が変わりどういう影響があったのか、大勢が嘆き悲しんできた。
一番深刻だったのは規制強化でもないし、刑務所行きになった銀行員(あるいは、それがいかに少ないか)のことではなく、
何より深刻だったのは2008年に社会人になった私たちへの影響だと私は確信している。
このことをもっと調べるため、私は米国全土を回って専門家や、同じく2008年卒の人たちに話を聞いた。私たちに一体何が起きたのか?

1. 子どもがいても前より少ない
不況以降の10年で米国女性が生んだ子供は、人口統計学者が予期していた人数より480万人少なかった。

「(1929年に)大恐慌時代が始まった当初に20代前半だった女性は当時、子どもを生まず、それ以降も生まなかった」
「後にも先にも、当時の女性たちほど子どもがいなかった人口グループは米国でほかにない」
ジョンソン教授は、現代の我々も大恐慌時代の女性たちのように出産を諦めるのか、単に当時より長いこと時期を
見計らっているのかが、疑問点だと語った。