具体的成果を欠く安倍政権がなぜこれほど長期に及ぶのか。通底するキーワードは「やってる感」だ。

安倍政権がこの「やってる感」の演出に成功した筆頭格は「アベノミクス」だろう。「景気が良くなってきた」という気分を漂わせ、漂えば本当に景気が良くなるという経済政策だ。

 だがそのために実は非常に危険な手を打っている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を株式購入に充て、日銀は株を買い支え、国債を購入し続けている。
「異次元の金融緩和」「デフレ脱却」と繰り返し5年半余りたつが「目標達成」の出口はまるで見えない。この間に国民の実質所得は下がっている。つまり全てが虚像なのである