欧州中銀、逆風下の緩和終了利上げは見通せず
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO31792450U8A610C1EA2000

欧州中央銀行(ECB)は14日、量的緩和政策の年内終了を決めた。ドラギ総裁は物価目標(2%近く)の達成に向かっていると強調するが、足元の景気減速やイタリア政局の混迷で逆風が強まりつつある。
金融政策の正常化で先行する米国とようやく同じ方向を向いたものの、利上げまでの道筋は不透明で、先行きには危うさも見え隠れする。

イタリア政局の不透明感も増している。発足したばかりのポピュリズム(大衆迎合主義)政権の出方は読みにくく、財政悪化への懸念は消えていない。
ECBが量的緩和を終了してイタリア国債の新規購入をやめれば、金利上昇(債券価格は下落)のリスクは確実に高まる。

正常化を進めておけば「景気が急に悪化した場合の政策対応の余地(のりしろ)をあらかじめ用意できる」(ECB幹部)