「安倍3選」に向け吹き始めた"追い風"の正体

ゴールデンウイーク明けの安倍首相は余裕の表情が目立つようになった。
ゴールデンウイーク前には永田町にあれほど吹いていた「安倍おろし」の風。
ところが、連休が明けると、この逆風はぴたりと止んだようだ。

そもそも「安倍おろし」の風を吹かせていたのは野党ではなく自民党。
9月に予定されている総裁選をにらんでざわついていたのだが、党内のムードが様子見に変わったのだ。

そればかりではない。安倍政権に順風さえ吹き始めたと思われるところもある。
5月7日に国民民主党が結成された後の参議院をみると、それがとくにわかる。
いったい参議院で何が起こっているのか。

【国民民主は自民党になびいている?】

立憲は国民民主への不信感をあらわにする

内閣委員会の理事の構成も、自民党から2名、公明党から1名、そして民主から1名という構成だ。
「これでは法案を止めようがない」と、立憲関係者は嘆く。
「参議院は衆議院から送られてきた法案をより客観的に冷静に審議すべきところだが、
このような状態では会期末までに法案をただ採決するだけの場所になりかねない。
民主(国民民主党・新緑風会)は自民党になびいているようにみえる」(立憲関係者)。



かくして、会期末に向け、重要法案がかなりスムーズに成立する見通しだ。
そのためもあるのだろう、最近の安倍首相の表情には余裕が見える。
5月11日には民放番組に出演し、森友学園問題や加計学園問題についての質問にも冷静に答えている。 

自民党のある若手議員がこう言った。
「安倍さんというのはとても不思議な人で、なぜか協力してあげたいと思わせる魅力がある。
これは石破茂さんにはないし、ましてや小泉進次郎さんにはないものだ」。
再度上昇運に乗り出した安倍首相。このままいけば総裁選3選は確実の様相だ。