日生:米金利上昇でも米国債買いづらい、分散でASEAN国債も
伊藤小巻、Chikako Mogi
2018年2月13日 9:22 JST 更新日時 2018年2月13日 9:48 JST
日本生命保険は、最近の米長期金利の急上昇にもかかわらず、為替ヘッジコストの上昇で米国
債は投資しづらいと考えている。対米投資では、モーゲージ債や社債など上乗せ金利(スプレッド)
の乗った債券で運用利回りを確保する方針だ。

米国の雇用情勢の改善や利上げ加速の観測で、米金利は急上昇し、世界同時株安の引き
金を引いた。米10年国債は年初の2.4%台から12日には2.8%台になった。一方、日米短期金
利差などで決まるヘッジコストも同1.9%台か2.3%台に上昇、コスト控除後の米国債の利回りは
0.5%程度にとどまっており、生保が投資することが多い日本の20年国債の0.59%程度と、ほと
んど変わらない。
  同氏は、米長期金利について「2%台後半はフェアなところ。3%も少し先を見渡せば十分
あり得る」と予想、今後は「海外債券の金利上昇リスクは非常に大きい」と懸念する。米国の今
後の利上げ局面の終盤で年限を長期化する方針だ。為替相場については、日米金融政策
の方向性の違いから「1ドル=110円ぐらいがフェア」とみている。
  日生は、日銀のマイナス金利導入で外債投資を増やした当時から、期限前償還リスクで高
い利回りが期待できるモーゲージ債や、価格下落分をロールダウン効果(クーポン収入と残存年
限の短期化による価格上昇)で吸収できる年限を選んで投資してきている。
分散投資