北海道石北本線に常紋トンネルが有る。
このトンネルは日雇労働者を
過酷な環境下で働かせ完成したトンネルとして
有名らしい。
勿論、幽霊が出る噂も絶えず、地元の人に
恐れられていた。
そして1968年、昭和43年の十勝沖地震で
このトンネルの壁面が損傷し、
その改修工事の際、
壁の中から立ったままの人骨が発見されたのである。
人骨の一部には外力による損傷が見られ
更にトンネルの入り口付近の壁の中からは
大量の人骨が発見されたのである。
博打で負けて殺されたのか、
或いは工事中の不慮の事故で死亡したのかは不明だが
いずれにしても死体をトンネルの壁に塗り込む
と言う想像を絶する行為が
実際に明らかになったのである。
然も、壁に塗り込まれた労働者の遺体は
多数であると言う。
確かに遺体の処理方法を考えると
トンネルの壁に塗り込むと言うのは
画期的で有るに気が居ない。
しかし、これは、
そこいらにある怪談話よりも怖い事実である。
考えて見ると
日本の有史以来、もしも日本列島の地図に
人が死んだ地番に赤い点を正確に打つ
事が出来たなら
日本列島は一面に真っ赤に染まってしまう筈である。
都心で理由有り格安物件の部屋に住み
怪奇現象を体験した恐怖話を見る度に
日本の自殺者の数を思い起こす。
年間35,000人の中の何割かが
どこかの賃貸の部屋で命を絶っているのである。