【社会】解約強要疑惑の「レオパレス21」、所有者が集団訴訟…1億超返還要求、一括借り上げの罠

昨年12月26日放送のテレビ番組『ガイアの夜明け』(テレビ東京)で取り上げられ、大きな話題となったレオパレス21の「一括借り上げ契約」解除問題。

今回、『ガイアの夜明け』で取り上げられたレオパレス21は、完成したアパートを30年間同社が借り上げることによって、
オーナーは入居者の有無にかかわらず安定した家賃収入が得られるという契約に対して、
早いもので10年も満たないうちに約束した家賃を減額または借り上げ契約を解除するようオーナーに半ば強制的に迫っていたことが明るみにでたものだ。

■「30年一括借り上げ」以外にも問題点
レオパレス21のような、アパート建設から請け負い、完成後の一括借り上げまで行う事業者では、建設の時点で相当の利益を上げていることも特徴的である。
たとえば、建設費2000万円程度でも十分利益が取れる木造アパート一棟の建設を、4000万円程度で土地のオーナーから請け負い、最初の時点で2000万円以上の利益を上げるのである。
特に、ほぼ同じ仕様のアパートを数多く建てるような事業者の場合、同じ規格で大量に発注できるため、建築コストは非常に安く抑えることができる。
それを一般的なアパートより高い建設費で請け負うのだから、土地のオーナーにしてみれば相当高い買い物をさせられていることになる。

また、この建築請負で得た利益の一部で、数年間の借り上げ費用(オーナーに支払われる家賃)が捻出されていると考えれば、オーナーは自分で支払ったお金の一部が返ってきているにすぎないともいえる。
実際に以前、神奈川県小田原市の土地オーナーから、ある一括借り上げ型のアパート経営を提案する企業からの見積もりを見せてもらったことがある。
その建築費は相場から見ておおよそ2倍の建築費だったことを鮮明に覚えている。

■修繕費用も搾取か
レオパレス21については17年8月にも、借り上げしているアパートの管理上の問題で訴訟が起こっている。
借り上げ中のアパートについては、そのアパートの管理についても請け負うことが多く、その管理面でトラブルが起きたのだ。
各オーナーと同社は、アパートの一括借り上げ契約を締結し、別途締結した修繕契約に基づき、同社が各オーナーから月額10万円前後の修繕費を賃料から差し引くかたちで徴収。
オーナー側は、屋根の塗り替えなど一定期間に決められた修繕がほとんど行われていないと主張している。
実際、同社に限らず多かれ少なかれ建物の修繕に対して頻度や実施内容と比べて契約上の金額が「取りすぎ」と感じられる賃貸管理会社は結構見受けられるが、
それでも強くオーナーが要求すれば、多少金額の追加はあっても修繕の対応はするはずである。
ところが、レオパレス21の場合は、オーナーが要求しても応じないからこそ訴訟になったのである。
かなり悪質なケースと言わざるを得ない。

ここまでの話をまとめると、土地のオーナーはうまい話に乗せられて、建築費で搾取され、修繕費を支払ってもまともなサービスを受けられず、
少し古くなると入居者が入らなくなるので家賃の減額をのまざるを得なくなり、最後には借り上げ契約を解約されるということになる。