中国政府、株保有額76兆円、9月末、党大会前に急増。

2017/11/14 日本経済新聞 

 【上海=張勇祥】中国政府による株式保有が膨らんでいる。2017年9月末の残高は4兆4300億元(76兆円)と6月末に比べ8%増え、過去最高を更新した。1
0月の共産党大会を前に、金融市場の安定を演出しようと買い支えに動いた公算が大きい。党大会後も買いが続くかは不透明で、株高が鈍化する恐れを指摘する声も出ている。
 中国の国金証券が集計した。対象は「中央匯金資産管理」、「中国証券金融」など政府系金融会社のほか、国家外貨管理局の傘下にある投資会社など。
保有額の伸びは、株価指数の上昇率(4%台)を上回る。6月末からの3カ月間で「1千億元規模で買い増したとみられる」(上海の投資銀行)。
 株バブルが崩壊した15年半ば以降、中国は政府系資金による株式購入を続けてきた。残高は2年余りで1兆2千億元近く増加した。
 企業が決算時に開示する上位株主しか集計できないため、実際の保有額は、この数字を上回っていることがほぼ確実だ。
 政府系資金の保有額の8割超を金融株が占める。株バブル崩壊前から保有している分も多いが、株価指数への影響を考慮しているとの声が大半だ。
代表的な株価指数である上海総合指数は上場全銘柄の時価総額をもとに算出しており、大型株ほど指数への影響が強く表れる。上海市場では時価総額上位に国有銀行や保険などが名を連ねる。