日銀執行部は退任を、体制転換なくデフレ脱却ない−本田スイス大使
天野高志、藤岡徹2017年11月9日 05:00 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-08/OZ1I296JIJUO01
理論を執行部が理解していない、現状を総括しきちんと責任を
総裁就任の申し出があった場合には「命を懸ける」

黒田東彦総裁ら執行部は任期終了をもって退任すべきだとの見解を示した。7日の電話取材で語った。
  本田氏は総裁・副総裁の任期が来春に迫ってもデフレ脱却への成果が出ておらず、日銀執行部の退任は当然だと
話した。さらに物価上昇の水準を考えると、なぜ「続投できるのか」と述べ、「レジーム(体制)を再構築しない限り、デフレ
から完全に脱却することは無理」と主張した。
  デフレ脱却が達成できない根本的な原因としては「理論を日銀の執行部が理解していない」ことを挙げ、「現状を総
括してきちんと責任を取る必要がある」と批判。総裁就任の申し出があった場合は「命を懸ける」と前向きな姿勢を示した。
   19年10月には消費増税が控えている。本田氏は、消費増税前には2%を超える物価上昇率を確保しなければ
「非常に危険」との見解を示した。足元の経済環境で増税した場合、日本経済の「息の根が止まるかもしれない」とま
で考えており、「危機感を感じている」と話した。
財政支出
  13年1月の政府と日銀の共同声明の全面改定も主張。政府・日銀の協力関係を再確認し、名目国内総生産
(GDP)水準目標や賃金上昇目標などの明記も有効だという。デフレ脱却には金融緩和に加えて財政支出が必要
と指摘。日銀も財政を金融緩和で支えていく姿勢を示し、「少なくとも日常的に意見交換をして、いかにしてデフレ脱
却をするということを真剣に議論しないといけない」という考えだ。