上方落語の聖地 大阪編2
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第4回 堂島     相場師の気質
落語『鹿政談』の枕に大坂の名物として「橋に船、お城、芝居に、米相場、総嫁、揚屋に、
石屋、植木屋」とあり、「天下の台所」大坂の米市場は全国の米相場の中心だった。堂島を
扱った落語に『米揚げいかき』『住吉駕籠』がある。
『米揚げいかき』では小遣い儲けで売り子になった男は「大マメ、中マメ、小マメ、米揚げいかき」
の売り声でいかきを売り歩く。いかきはザルのことで、米相場師は売り声の「あげる」という言葉が気
に入っていかきを買ってやる。
『住吉駕籠』では駕籠屋に内緒で二人の相場師が相乗りして、「堂島へやってくれ」という。二人
は意見が対立して駕籠の中で相撲を取り、駕籠の底を抜いてしまう。駕籠屋は「降りてくれ」とい
うが「一旦乗った相場を途中で降りたことがないのがわしらの誇りや」と言って、駕籠の中で客は走
って行く。強気の相場師は下がるや降りるということを嫌う。相場師の気質が面白く表現されている。