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ADHDを引き起こす遺伝子が、人類を繁栄させた

2025/05/20(火) 05:10:11.06ID:???
 落ち着きがなく指示通りに動けない。社会では困り者扱いされるADHD(注意欠如・多動症)が増えている。世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者で精神科医のアンデシュ・ハンセン氏が今回『多動脳』(新潮新書)の翻訳出版にあたり、この“病”の真実に迫る。

そもそもADHDとは何なのかを医師の立場から説明すれば、集中、多動、衝動という三つの分野で問題があるかどうかが診断の基準になります。

 集中力を保てない。すぐに気が散る。人の話を聞けない。整理や計画ができない。他にも、頻繁に相手の話を遮ったり、順番が待てなかったりして、じっとしていられず常にスイッチが「オン」の状態になる。絶えず刺激を求め、貧乏揺すりをしたり物をいじったりするなどの特徴もADHDによく見られます。あなたもどれか心当たりがありますか? 

 無理もありません。誰にでも多少はADHDの傾向があるからです。私もADHDの傾向が強い人間ですが、社会生活で大きな問題が生じなければADHDとは見なされませんし、治療の対象にもなりません。どこまでが「正常」でどこからがADHDか、きっぱりと分かれてはいない。グレーゾーンは非常に広いのです。
2025/05/20(火) 05:10:42.69ID:???
食事を取らずにゲームをしてしまう理由

 では、とてつもない集中力を生み出す仕組みはどうなっているのでしょうか。これにも報酬系が関与しています。遺伝子操作によって脳でドーパミンを作れないようにしたラットは、飢え死にしてしまうことが知られています。無気力になり、口を開ける気力すら無くす。エサを差し出されても食べなくなるのです。

 普通なら食べ物を見るとドーパミンのレベルが上がり、食べるモチベーションが生まれます。ドーパミンが増えるのは「食べている時」ではなく、「食べ物を見た時」なのです。
2025/05/20(火) 05:10:47.61ID:???
 何かをしている時、別のものに関心を移す際も似たようなことが起きています。例えばゲームの最中に家族から「食事よ」と言われたら、ご飯が食べたくなりませんか。こんな時は脳でドーパミンが増えているはず。ところが、報酬系が不活性なADHDの人の場合、うまく関心が食事に移せない。だから食事も取らずに、今やっている、報酬系を活性化させてくれていること(例えばゲーム)に集中し続けるということが起こり得るのです。一時期、ゲームのせいでADHDになるという誤解が広まったことがありましたが、因果が逆なのです。

 また、ADHDの人はよく「集中力がゼロかマックスかのどちらか」だと言いますが、それは脳の報酬系が不活性である場合に起きている現象なのです。

 ADHDを生み出す原因をさらにたどると、遺伝子の違いに行き当たります。環境要因も無視できませんが、脳の生理的な働きが根本にあるので、しつけなどではなく、遺伝子の果たす役割が大きいのです。親がADHDの場合、子供もそうなる可能性が70%程という研究結果もあります。
2025/05/20(火) 05:11:07.41ID:???
人類を繁栄させた遺伝子

 少し専門的になりますが、ADHDに大きく関係しているのが「DRD4-7R」というドーパミン受容体遺伝子です。この遺伝子を持って生まれた人は活性化しにくい報酬系を持っており、ADHDになる可能性が高いことが知られています。

 一方、この遺伝子は人類の繁栄とも深い関わり合いがある。それを示すものとして、世界30カ所、2000人以上を対象にした興味深い調査があります。対象は西欧からアジア、北米先住民、中南米やアフリカの狩猟採集民、オーストラリアの先住民にまで及んでいます。

 約20万年前、アフリカで生まれた人類(ホモ・サピエンス)は、現在のサハラ砂漠を越えると約3万年という短い期間で世界各地に達したといわれています。アフリカを出て、アラビア半島や中東へ。そこからヨーロッパというルートもあれば、アジアやロシア経由で北米に。さらに南に向かって中南米に渡ったグループもあるし、アジアからオーストラリアやニュージーランドにまでたどり着いたグループもいたわけです。
2025/05/20(火) 05:11:20.75ID:???
人類をアフリカから旅立たせたのは、ADHDを引き起こす遺伝子? 

 この、何百世代もかけて長距離を移動した人々と、同じ場所にとどまった人々に違いはあるのか。それを調べたところ、遺伝子に違いがあることが分かった。長い距離を移動した人々ほどDRD4-7Rを持つ割合が高かったのです。

 DRD4遺伝子に突然変異が起きてDRD4-7Rが本格的に広まり始めたのは、どうやら4万〜5万年前。その遺伝子と人類がアフリカを出たことと、どんな関係があるのでしょうか。

 DRD4-7Rは、人のリスクテイキングな傾向や新しい体験を求めたがる人たちの脳を研究する際、研究対象となる遺伝子でもあります。人間の「新奇探索傾向(ノベルティ・シーキング)」という性格に関与しているといわれています。現代においてADHDを引き起こす一因とされる遺伝子が、人類をアフリカから世界へと旅立たせ、新しい経験を求めるという人間としての決定的な特質を左右しているとしたらどうでしょう。私は人類の魂のメカニズムに触れているような気がしてわくわくさせられます。
2025/05/20(火) 05:11:31.46ID:???
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbfbed15191b9451177e90356ecdc28b5c23129a?page=4
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