被害届は取り下げられたが、母親は「警察官に撮影されるのを見たショックは消えない。息子も『おまわりさんに呼び出された』と落ち込んだ様子だった」と憤慨する。

 障害者支援に取り組む辻川圭乃弁護士(大阪弁護士会)によると、「強いこだわりや人との距離感をつかみにくいといった特性のある人が不審がられ、通報されることはよくある」という。

 例えば、こんなケースだ。「かばんが開いた状態を気持ち悪いと感じ、他人のかばんを閉めようとしてひったくりに間違われた」「キラキラした装飾が好きで、服を凝視していたらストーカーと思われた」…。