「ワクチン割」じわり拡大 接種促進、景気回復狙い…飲食店、結婚式場も導入
コロナワクチンの接種を終えた人を対象に、飲食費やホテルの宿泊費を安くする「ワクチン割」がじわりと広がっている。招待客の人数に応じて一部をキャッシュバックする結婚式場まで登場。ワクチン接種を促すとともに、コロナ禍で落ち込んだ景気の回復を急ぐ狙いもある。ただ、接種を強要する「同調圧力」を招きかねないとの声も上がっている。
「接種が進めばコロナが収束し、店にお客さんが来るようになる。一日も早くコロナ禍の前に戻ってほしい」。名古屋市中村区の焼き肉店「三代目脇彦商店 名古屋別邸」の副大将、藤村敏之さん(54)は、ワクチン割を始めた理由をこう語る。
接種券に記載された「接種済証」を示せば、コース料金が最大3000円引きになる。割引を利用した助産師の鳥居由佳さん(47)は「割引があれば接種する人が増え、多少はいい世の中になるのでは」と企画を歓迎する。
山梨県の富士河口湖町観光連盟は、加盟30店でワクチン割を始めた。接種を2回終えた人が対象で、施設利用料や飲食費を1割安くする。担当者は「多くの人に観光に来てもらうことと接種を促すことが狙い」と話す。
長崎県雲仙市の旅館「雲仙温泉東園」は、「感染を恐れず純粋に旅行を楽しんでもらいたい」との思いから、接種が済んだ人に館内の売店などで利用できる金券を配っている。感染拡大以降、休館を余儀なくされた時期もあったが、割引の効果もあり、最近は少しずつ予約が増えているという。
ワクチン接種券
https://i.imgur.com/CfSM3NO.jpg
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/210717/dom2107170003-n1.html